いただいたコメントまとめました。

映画関係の方。
(50音順)

Amir Naderi
- There is a good emotion and feeling apparent in nearly all
of the scenes of this film, which must originate from the
respect and confidence the three female actors obviously
have for their director, Kousuke Sakoda. The good rhythm
of the film comes exactly from this respect, especially from
the leading girl’s Tomomi Kono’s performance. The director
could make a film with limited situation. He made his film
very sincerely this time, so I expect his next film would be
good as well.

この映画の多くのシーンには素晴らしい情感と雰囲気が
明らかに存在する。それは3人の女優の迫田公介監督へ
のゆるぎない信頼と敬意によるものだ。
とりわけその素晴らしいリズムはまさに主演の
河野知美の監督への敬意から生まれている。
また監督は限られた撮影状況でも映画を作る力を持っている。
彼はこの作品をとても誠実に作った。
次回作も同様に素晴らしいものであると私は期待している。
アミール・ナデリ

アミール・ナデリ監督 Amir Naderi
『駆ける少年』『水、風、砂』
『マンハッタン・バイ・ナンバーズ』
『サウンド・バリア』『べガス』
『CUT』
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女性と女性を対峙させて、それだけでドラマを紡ぎ出して見せた
迫田監督の演出力は素晴らしいと思います。
特に、麻丘めぐみさんの演技に、グイグイ引き込まれました。
女優陣の巧みな演技を、端正に映しとり、女性同士だからこそ
生まれる不思議な距離感のドラマとして完成させた監督の手腕を、
ぜひ観て頂きたいです。
大谷健太郎

大谷健太郎監督
『avec mon mari』『とらばいゆ』
『約三十の嘘』『NANA』『ラフ ROUGH』
『NANA 2』『ランウェイ☆ビート』
『ジーン・ワルツ』『八月のラヴソング』
『LOVE まさお君が行く!』
『黒執事』
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まずタイトルに驚愕する「父の愛人」。。。
なんだ、このストレート感!
正にポスターの写真がこの映画全体を象徴している。
正妻と愛人の間に挟まれた娘、その三人がずっと続くかのようなまっすぐな道を背景に立っている。
ホント!まっすぐ過ぎる。
監督、迫田公介が迷いに迷い抜いたあげく辿り着いた方法が正々堂々と正攻法で立ち向かうという事だったのだ。
そして、自分の親戚を見渡しても見つかりそうな問題を抱えた家庭を舞台に丁寧にリアルを紡ぎ上げていく。

その作品が海外で評価を受けている。
ジャパニーズスタンダードが海外では新鮮に映ったのか?
それとも静かな熱が海を越えても伝わっていったのか。

それにしても、女の戦いに男って無力だね。
小林基己

小林基己 撮影監督
学生時代からウルフルズ、スピッツなどのミュージックビデオに撮影監督として参加。その後、CMを中心にミュージックビデオ・映画などの撮影監督として活動。
『夜のピクニック』(長澤雅彦監督)
『35度の彼女』(筧昌也監督)
『パンドラの匣』(冨永昌敬監督)

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父の愛人を前にした女の子。
自分も不倫をしてるとか、
自分に辛く当たって来た母に恨みを抱いているとか、
設定はいろいろあるんだけど。

それは小さな問題で、映画は驚くほど目の前のひとり、
「父の愛人」にいかに向き合うかに焦点を置く。

自分の問題や恨みつらみを父の愛人にぶつけてみる女の子。
しかしどの言葉も雲散霧消して趣味のよい愛人のマンションの
リビングに蒸発して消えてしまう。

恨みを投げつけられた父の愛人は気の毒そうな、痛ましそうな表情を
そのたびに見せてはくれるのだけど、どうもそれがホントな感じがしない。

かわりに立ち上がってくるのは、父の愛人がいかにひとりで
生きて来たか。
それが「孤独」ではなく「独立」だと分かってくる。

愛人なのに依存してない。
母に依存できなかったことを恨みがましく呟く女の子の表情が
変わっていく。

いつのまにやら彼女の背筋が伸びている。

母を神経症にし、その母から虐待スレスレに育てられた私。
そんなどうしようもない恨みのスパイラルに落ちかねない関係の中で、
この映画はフェアに生きることの壮快さをそっと小声で囁く。

感動しました。

古厩智之

古厩智之監督
『この窓は君のもの』『まぶだち』『ロボコン』
『さよならみどりちゃん』『奈緒子』『ホームレス中学生』
『武士道シックスティーン』
『「また、必ず会おう」と誰もが言った』今秋公開予定

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お知り合いのクリエイターさんからのコメント(50音順)
愛されずに育った人間がどのように愛を知るか。
自分自身とさえ和解できない人間がどのように他者と和解するか。
そうした問いはほとんど解決不能であり、言葉によって対峙する限り
永遠の堂々巡りに陥るほかない。
だから、迫田監督が鬱から復帰して「映画」を撮ったという経緯は
極めて重い。
「父の愛人」には、女優たちによって演じられる永遠のような苦悩に、
奇跡的に和解が与えられる瞬間がある。
単なる台詞を超え、「映画」であることによって。
私たちはこの映画を見ることで、迫田監督とともに、魂の病から癒える。

池田浩明(ライター)
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迫田渾身の素晴らしい作品!!
去年スクリーンで観た38本の映画の中には、強く印象に残る
傑作が多かったんだけど、
『父の愛人』もその一つで、38分つー中編?にも関わらず、
巨匠達の長編作品群に見劣りしない出来映えだったんよ~。
思った通りの人生を送るん大変て思った経験ある全てのヒトに
是非観て貰いたい作品なんよね。

ウエオカケンタ(イラストレーター)
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この映画には迫田くんの丁寧な映画への愛を感じる。
セリフの最後の一文字のニュアンスや、人と人が対峙する時の間、
画面には映らないそこにある空気に。

作品はその人そのものだから、
つくる人には辛いあれこれもセットでついてくるわけだけど、
迫田くんにはずっと迫田監督でいてほしいな。
エンディングが流れた瞬間、また次の迫田監督の作品が観たくなったから!

泣いたら明日は背筋を伸ばして歩けばいい。
そんな小さな決意を、
「ほらね」って、
肩をたたくみたいにおしえてくれる映画です。

みんな観てね!!

笹生実久(シンガーソングライター)
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共通の知人のつながりで知り合った迫田監督。

下北沢の居心地がよく、気持ちのいい仲間が集まるバーで初対面。
いつもバカな話、バカな遊びばかりを繰り返し、実は映画監督
だというのを知ったのは
少し経ってから。
正直、作品を観るのも初めて。
さらに畑は違えどこちらも同じく映像に関わる者。
見終わった後にダメ出しのひとつでもと思っていた…

大失敗!

不覚にも引き込まれてしまった!

静かな中に感じる監督の思い。
その思いが強かったせいか、見終わった後なかなか席から立てなかった。

知り合いの作った映画だからという軽い気持ちで観て失敗した!

サコペン!
今後は監督と呼ばせていただきます!

波多野俊介(TVディレクター ex.スクール革命!
/ネプ&イモトの世界番付/ナカイの窓/ナイナイサイズ!
/99+/くりぃむしちゅーのたりらリラ~ン/コレってありですか?
/PV監督としても活躍)
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