名古屋Theater cafe 特集上映まで1か月

6月20-26日 名古屋Theater Cafe「父の愛人」ほか迫田公介監督特集上映

あと1か月となりました。
初の名古屋上映。監督特集上映というかたちにしていただいてるので、何か面白いことできないかなと思って、今住んでいる広島の面白いバンド、まやかしプラスチックさんとカングルワングルの のっこんさんに初日二日目とライブしていただくことにもなりました。

昨夜たまたまある小説家さんのエッセイを読んでいて、そのなかに作家の内面について書かれてあった。それは僕なりに言うと心に嵐を抱えている。というようなことだと思う。そしてそれを抱えながら生きていくと。
この文章は監督の迫田が書いているのですが、かといって声高に僕が作家、作り手であるということを言いたいわけでなく、結果いまの道、映画を撮っているという事実にそくして。
やはり嵐を抱えていると思う。
更に、ある映画監督の方にも言われたのですが、非常に生き方が不器用だと。そういう作り手なのだと。
てなことを書きながら、作り手であるということから離れてみても
やはり僕の心のなかはいつも揺れていて、これも指摘されたのだが、非常に信じるものを持っている、だけどそれを強烈に信じていないというものも持っていると。
とても信じたいけれど、同時にそれを本当に信じることができない。
心が壊れそうだなと思いつつ(ちょっと大袈裟に書いてるかも)。
単に言えば、なかなか面倒くさいことを抱えた人間なんだろうなと。
要するに常に迷っている。疑っている。信じたいのに。

前二作もそうなんですが、特に映画『父の愛人』は鬱病明けということや、人間関係、自分ということを再構築しなければいけない時期に作った作品で、非常に揺れて、迷って、信じて、信じられなくなって、だけど考えて、何度も自分の手から逃れそうなところを、それでも追って、だけど逃げられて、それでも追って。
そしてその最後に、手に残ったもの。ようやく掴めたものを表現した映画だと思う。

僕は強くもないし、かっこよくもない。だめなところなんて人以上にたくさんあって、器用でもない。我がままだし人の意見に右往左往してしまうことも多い。才能なんて実はこれっぽっちも無いかもしれない。
けれどぼくは映画『父の愛人』を撮ろうと思った。
そして完成した。

だめな人間がそれでもすごい悩んで一生懸命撮ったものだからお情けで見て!と言ってるのではなく、そんな人間がそんな風に撮った作品だ。と単に言いたかった。

撮影して編集して試写を観たときに、僕はこの映画が、観たひとの世界を変えると思った。そう強く信じることが出来ました。
存在しなければいけない映画だと思いました。

新宿K’s cinemaさん、大阪第七藝術劇場さん、広島横川シネマさんと映画館での公開をさせてもらって、そして今回は名古屋Theater cafeさんにて今までとは違った形態での上映となりました。
お客様が非常に近い。距離という実測なものだけでなく、心理的にも作り手に非常に近いように思ってます。
そのことが何を産むのか。

初日二日目と迫田(監督)舞台挨拶させていただきます。
一見社交的で誰とでも気軽に話しているように見える僕ですが
そうでもないんですよねー。いつも色々とびくびくしてます笑。
けれど一方でお客様とたくさん話したくて。という気持ちも事実です。

6/20-26 父の愛人」ほか迫田公介監督特集
名古屋Theater cafeさんでお会いしましょう。

作品を観せるのが怖い。けれどすごくすごく観て欲しい。
なんて正直に思いながら。迫田公介(監督)

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「父の愛人」ほか迫田公介監督特集上映

上映スケジュール 6/20(土)~26(金)
6/20(土)21(日) 15:00/18:30 各回迫田監督舞台挨拶あり
22(月)~26(金) 19:30 ※火曜日定休
※※20日15:00/18:30 まやかしプラスチック
21日15:30 まやかしプラスチック
21日18:30 のっこん(カングルワングル)
ライブ決定!お得!

料金:1200円(ドリンクなし)

上映作品『父の愛人』『の、なかに』『この窓、むこうがわ』

名古屋Theater Cafe

●定員15名ですので、ご予約されると安心です
●当日受付は13時からです
●ご入場は上映15分前からです(予定)

迫田公介監督の最新作「父の愛人」は、38分の中編ながら、2012年インドのムンバイ・サードアイ(第3の目)アジア映画祭で審査員特別賞を受賞し、その後、アメリカや南米など10以上の映画祭に招待されるなど、世界中で高い評価を受けました。そして、東京、関西、広島での公開を経て、名古屋では初お披露目となります。 母と娘。そして娘の父親の愛人。それぞれに大きな葛藤を抱えて生きて来た3人の女性の心の機微を繊細に描き、世界共通のテーマとも言える「家族」「夫婦」「親子」について、改めて考えさせられる映画です。今回は、迫田監督の過去の短編2本「この窓、むこうがわ」「の、なかに」を併映として加えた特集上映です。
幼い頃から両親の不和の中暮らしてきた幸子。その父親が倒れ、運ばれた病院を教えて欲しいと父の愛人が訪ねて来る。拒絶する母。離婚することもなく、ことあるごとに自分にあたる母に幸子は反発して、父の愛人に病院の名前を教える為、後を追う。
「映像ではなく、映画を撮りたい。観た人の人生を変える程の作品にしたい。」という監督の言葉から撮影が始まった。主役の幸子を演じるのは100名を越える応募の中から決まった河野知美。母静江に泉水美和子。幸子の恋人に内田周作。そして父の愛人である敦美役として、監督からの10枚に渡る手紙でのオファーを受けた、麻丘めぐみが特別出演している。音楽は、近年注目のバンド「avengers in sci-fi」の木幡太郎。これが初の映画音楽提供となります。